ストップ!! 国政の私物化 ―森友・加計、桜、学術会議の疑惑を究明する

著者・編者著者 上脇博之、阪口徳雄、前川喜平、小野寺義象、石戸谷豊、岡田正則、松宮孝明

安倍政権8年から菅政権へと今もなお続く露骨な国政の私物化。なぜ止まらない? どうしたら止められる?

真相究明する当事者・識者が徹底解明。

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 46判
ISBN 978-4-87154-188-6 C3036

目次

はじめに

第1章 政権の国政私物化と政治的・法的病理現象

神戸学院大学法学部教授

上脇 博之



はじめに/ 安倍政権の私物化事件と情報隠蔽

情報隠蔽・立憲主義の蹂躙・国会軽視

私物化や立憲主義蹂躙を可能にした官邸主導政治

立憲主義蹂躙と総理・総裁らの違法行為の背景

菅政権でも続く安倍路線と真相解明の必要性

最後に ―― 次の衆議院総選挙の重要性と政権交代の必要性



第2章 森友事件をウヤムヤにしてはならない

森友国家賠償事件弁護団長

阪口 徳雄



安倍政権の政治私物化の端緒/一議員の情報公開請求が事件を暴露

「真相解明の会」の発足と取り組み/情報公開訴訟と国家賠償請求の勝訴判決

公文書のあり方を法的に追及する重要性/今後の目標と課題



資 料 森友公文書改ざん損害賠償請求訴訟

赤木雅子さんの陳述書全文



第3章 加計学園問題と安倍・菅政権の国政私物化

元文部科学事務次官

前川 喜平



加計学園問題を風化させない/歪められた行政/キーパーソンだった和泉補佐官

「安倍側近官邸官僚」と「菅側近官邸官僚」/動かぬ証拠「愛媛県文書」

安倍首相の虚偽答弁/政治家同士の確執/勇気ある現職官僚

官邸による官僚人事/明治産業遺産というお友だち案件

文化審議会委員人事への介入/明治産業遺産と徴用工問題

なんでも官邸団/文化功労者選考分科会委員人事と学術会議問題

アベスガ政権からスガスガ政権へ/国家主義と新自由主義

憲法を裏から崩壊させる菅首相



第4章 「桜を見る会」問題の追及の取り組み

「桜を見る会」を追及する法律家の会事務局長

小野寺義象



「桜を見る会・前夜祭」問題/「桜を見る会」を追及する法律家の会の結成

通常国会での攻防/第1次告発/安倍首相の退陣

菅政権下での取り組みと安倍再登場の動き/捜査報道

検察による幕引きの動きと第2次告発/激動の5日間

不起訴処分への抗議/検察審査会への不服申立てと第3次告発へ



第5章 桜を見る会へのジャパンライフ会長招待問題

全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会代表

石戸谷 豊



はじめに/マルチ商法と預託商法/ジェッカーチェーン社のマルチ商法

ジャパンライフのマルチ商法/山口による政界対策/ジャパンライフの預託商法

預託商法の実態/ジャパンライフへの行政処分の経緯

破産申立とその後の経緯/山口らの刑事事件/預託商法と山口の政治家の利用

安倍前総理と山口の関係/事実を説明しない安倍前総理

政治家が悪徳業者に利用されることについて/内閣官房と内閣府の責任とは

山口の「功績・功労」とは/国家の機能不全



第6章 学術会議会員任命拒否の違憲・違法性

早稲田大学大学院法務研究科教授

岡田 正則



はじめに ─ 任命拒否に至る経緯/明白な違憲・違法性

任命拒否の唯一の根拠 ─ 2018年の内閣府内部文書

総理大臣には「人事を通じた監督権」は与えられていない

総理大臣には学術会議会員の選任権は与えられていない

「総合的・俯瞰的な活動の確保」は排除の理由にならない

おわりに ─ 問題の背景を考える



第7章 学問の自由を侵害する学術会議会員任命拒否

立命館大学大学院法務研究科教授

松宮 孝明



コロナ禍対策の失敗と同根の問題/軍事研究への抵抗排除の布石

学術会議は何をする組織なのか/学問の自由の意味

本当に改革すべきことは何か/懸念される解釈の暴走と独裁

著者略歴

上脇 博之(かみわき ひろし)
1958 年鹿児島県霧島市生まれ。関西大学法学部卒業、神戸大学大学院法学研究科博士課程
後期課程単位取得。北九州市立大学法学部講師・助教授・教授、神戸学院大学大学院実務法
学研究科教授を経て、2015 年4月から同大学法学部教授。専門は憲法学。「政治資金オンブ
ズマン」共同代表、「国有地低額譲渡の真相解明を求める弁護士・研究者の会」「政府の公文
書のあり方を問う弁護士・研究者の会」「『桜を見る会』を追及する法律家の会」各会員、公
益財団法人「政治資金センター」理事など。
阪口 徳雄(さかぐち とくお)
1942 年生まれ。大阪府岸和田市出身。大阪市立大学法学部卒。大企業の違法行為を追及す
る株主オンブズマンを設立。国会議員の政治とカネ問題を政治資金規正法違反などで告発
する政治資金オンブズマンの共同代表。告発した国会議員は 50 名を超える。政府の公文書
のあり方を法的手段を活用して政権、官僚たちの非常識を市民の目線で裁くことが残りの
人生の課題。『司法はこれでいいのか。 ― 裁判官任官拒否・修習生罷免から 50 年』(共著、
現代書館)において、著者の経歴は詳しい。
前川 喜平(まえかわ きへい)
1955 年奈良県生まれ。1979 年東京大学法学部卒業、文部省に入省。文部大臣秘書官、大臣
官房長、初等中等教育局長、文部科学審議官などを経て、2016 年文部科学事務次官。2017
年退官。現在、現代教育行政研究会代表、日本大学文理学部非常勤講師。福島市と厚木市で
自主夜間中学のスタッフも務める。著書に『面従腹背』(毎日新聞出版)、『前川喜平「官」
を語る』(宝島社)、『官僚の本分』(共著、かもがわ出版)、『この国の「公共」はどこへゆく』
(共著、花伝社)など。
小野寺 義象(おのでら よしかた)
1955 年宮城県気仙沼市生まれ。早稲田大学法学部卒業。1988 年弁護士登録:仙台弁護士会
所属(一番町法律事務所)。宮城憲法会議幹事長、自由法曹団宮城県支部支部長、自衛隊の
国民監視差止訴訟(国賠勝訴)弁護団事務局長、年金減額違憲訴訟、トンネルじん肺根絶訴
訟、建設アスベスト訴訟、南スーダンPKO違憲訴訟などに関与。「桜を見る会」を追及す
る法律家の会事務局長、「桜を見る会」を追及する弁護士の会共同代表。
石戸谷 豊(いしとや ゆたか)
1976 年に弁護士登録し(神奈川県弁護士会)、薬害のスモン訴訟を契機として消費者問題に
入り、その後は投資取引被害の救済や法制度の改善などを始めとする消費者問題に取り組
んでいる。日本弁護士連合会では消費者問題対策委員会委員長、国の関係では内閣府消費者
委員会委員(委員長代理)などを歴任。現在、全国ジャパンライフ被害弁護団連絡会代表。
主な共著として、『新・金融商品取引法ハンドブック(第4版)』(日本評論社)、『特定商取
引法ハンドブック(第6版)』(日本評論社)。
岡田 正則(おかだ まさのり)
早稲田大学法学部卒、同大学院法学研究科単位取得退学。博士(法学・早稲田大学)。金沢
大学講師・助教授、南山大学教授を経て、現在、早稲田大学法学学術院教授(早稲田大学比
較法研究所長、法学学術院副学術院長)。日本学術会議連携会員。専門は、行政法学。主な
著書として、『国の不法行為責任と公権力の概念史』(弘文堂、2013 年)、『判例から考える
行政救済法[第2版]』(共著、日本評論社、2019 年)、『法の支配と法治主義』(編訳、成文
堂、2020 年)。
松宮 孝明(まつみや たかあき)
1958 年 3 月滋賀県生れ。京都大学法学部卒業、京都大学大学院法学研究科学修退学。京都
大学助手、南山大学法学部専任講師、立命館大学法学部助教授、同教授を経て、現在、立命
館大学法科大学院教授。2008 年から 2020 年まで日本学術会議連携会員。主著として、『過
失犯論の現代的課題』(成文堂、2004 年)、『刑法総論講義(第 5 版補訂版)』(成文堂、2018
年)、『刑法各論講義(第 5 版)』(日本評論社、2018 年)、『先端刑法総論』(日本評論社、
2019 年)、『「共謀罪」を問う』(法律文化社、2017 年)など。
価格 ¥1,760
(本体価格:¥1600)
【送料無料】
在庫状況:在庫あり。