保育事故を繰り返さないために

著者・編者武田さち子/著 赤ちゃんの急死を考える会/企画・監修

-かけがえのない幼い命のためにすべきこと

多発し続ける保育施設での乳幼児の死亡事故。その中には明らかな虐待による事件も少なくない。日本の貧しい保育政策、規制緩和、保育の市場化の流れがそれに拍車をかけていることも明らかに。わが子を亡くした親、法律専門家、保育関係者が共に考えあう画期的な一冊。事件・事故の数々を取り上げ、そこから原因を究明し、対策を提示する。大宮勇雄(福島大学教授・全国保育団体連絡会会長)、櫛毛冨久美(赤ちゃんの急死を考える会会長)、小山義夫(同副会長)、高見澤昭治(弁護士)、寺町東子(同)の座談会付き

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 A5判/144頁
ISBN 978-4-87154-094-0

目次

はじめに 武田さち子

第1章 大切な子どもの命を返してください
 

あまりに軽く扱われる幼い命

1 多発する保育施設での突然死

1. 21人の乳幼児が次々と死んでいた「ちびっこ園」
2. 約4時間後に死亡しているのを発見
3. 行政の指導に従わないベビーホテル

2 ずさんな保育の免罪符になっているSIDS
1. 乳幼児突然死症候群(SIDS)とは
2. 防止できるSIDS
3. うつぶせにすると二酸化炭素がたまりやすい布団に
4. うつぶせ寝による危険回避は困難
5.「うつぶせ寝実験ビデオ」

3 専門職による虐待
1.相次いで2人が死亡? 「スマイルマム大和ルーム」
2. SIDSで処理されようとした 「小鳩幼児園」虐待死事件
3. 保育ママによる虐待 「乳幼児揺さぶられ症候群(SBS)」
4. 保育者による性的虐待

4 安全配慮義務が問われるとき
1. 本箱のなかで熱中死 「上尾市立保育所」事件
2. 目を離した一瞬が死を招く 溺死事故

5 足りない保育施設、そして事件・事故の多発
1. 足りない保育施設
2. 認可施設の20倍事故が多い認可外保育施設
3. 国の責任



第2章  安全で安心な保育のために大人たちがすべきこと
 

1 保護者がすべきこと

1. 保育施設の最低基準
2. 子どもを預ける際の配慮
よい保育施設の選び方 10か条/経営者に確認すること
見学する際、チェックすること/周辺からの情報収集
3. 日常的にどうかかわるか

2 保育所がすべきこと
1. 経営者・責任者が守るべきこと
2. 子どもを預かる際の配慮
子どもを預かる前に情報の共有/入所前に伝えること
保護者への対応
3. 事件・事故予防の危機管理
安全点検/ヒヤリハットの活用/ケース会議
安全マニュアル/計画的な研修の機会
事例研究/シミュレーション

3 乳幼児の事故を予防する
4 虐待やいじめを発見する
子どものサインに気がつく/温かい心と冷静な頭で子どもの話を聞く
子どもの心のケア/問題を抱えている子どもにどう対応するか

5 行政がすべきこと

小さなサインを見逃さない/実効性のある立入り調査
立入り調査の実態/指導や改善命令の確実な実施を
保育の質を高める取り組み

第3章 不幸にして事件・事故が起きたとき
1 保育所がすべきこと

1. 被害者を傷つけ混乱をもたらす、行政・施設の行為
2. 被害者の思い
3. 事件・事故直後に保育所がすべきこと

2 行政がすべきこと
事故原因の徹底究明と防止策/被害者への誠意ある対応を
警察による捜査の必要性

3 保護者がすべきこと
証拠を集める/関係者から話を聞くとき/交渉について
民事裁判について/その他/裁判以外の方法について

4 事故調査委員会の是非について
第4章 座談会 かけがえのない命のために

大宮勇雄(福島大学教授、全国保育団体連絡会会長)
櫛毛冨久美(赤ちゃんの急死を考える会会長)
小山義夫(赤ちゃんの急死を考える会副会長)
高見澤昭治(弁護士)
寺町東子(弁護士)
司会:武田さち子

資料  「赤ちゃんの急死を考える会」から各党への要請書(2010年7月1日)
あとがき  櫛毛冨久美(赤ちゃんの急死を考える会会長)
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