カルト・オカルト  忍びよるトンデモの正体

著者・編者左巻健男、鈴木エイト、藤倉善郎 (編)

統一教会だけでない! 気をつけよう!
あなたたちに忍び寄る怪しげなもの

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 A5判並製 216頁
ISBN 978-4-87154-224-1 c3036

目次

はじめに

第1部 カルト・オカルト事件の今とこれまで
 第1章 政界に入りこむカルト集団(藤倉善郎)
 第2章 反省なきカルト教団─統一教会(統一協会)霊感商法事件(鈴木エイト)
 第3章 幸福の科学のオカルト教育の実態 ―幸福の科学学園と偽大学「HSU」(藤倉善郎)
 第4章 オウム真理教事件―オカルト、ニセ科学、ホンモノ科学、そして陰謀論の交錯(藤倉善郎)
 第5章 ライフスペース事件―ミイラ化遺体が生きている?(藤倉善郎)
 第6章 パナウェーブ研究所白装束騒動―面白おかしいテレビ報道後に死者を出したカルト集(藤倉善郎)
 第7章 法の華三法行詐欺事件―一説には被害総額1000億円とも(藤倉善郎)
 第8章 願望が歪めた現実―「奇跡の詩人」騒動(鈴木エイト)
 第9章 参政党とオカルト・疑似科学(雨宮純)
 第10章 科学と宗教・オカルトとカルト ―正しい判断と寄り添いのために(桝本輝樹)
 第11章 信じることの光と影 ―個人史から振り返るカルト・開運商法問題(福賴宏隆)

第2部 トンデモを信じる心とトンデモ例
 第1章 “トンデモ”を信じてしまう心のしくみ―メタ認知的クリティカル・シンキングのすすめ(菊池聡)
 第2章 「江戸しぐさ」問題にみる科学精神の欠如(原田実)
 第3章 「伝統的子育て」で発達障害が治る?―親学のウソ(原田実)
 第4章 オカルト・ニセ科学を教育界に持ち込んだTOSS・向山洋一氏(左巻健男)
 第5章 有機農業が内包するオカルト性―商業と政治を巻き込むカウンターカルチャー(齋藤訓之)
 第6章 オカルト的な医療(桑満おさむ)
 第7章 オー(O)リングテストに医学的根拠なし(桝本輝樹)
 第8章 「EM菌」は科学か宗教か―万能を主張する「EM菌」の宗教的な側面とその変化(呼吸発電)
 第9章 ニセ科学に狙われるマンション大規模修繕(謎水)

著者略歴

左巻 健男(さまき たけお) 
東京大学非常勤講師。栃木県小山市出身。専門は理科教育(科学教育)・科学コミュニケーション。千葉大学教育学部理科専攻(物理化学研究室)を卒業後、東京学芸大学大学院教育学研究科理科教育専攻物理化学講座を修了。中学・高校の理科教諭を26年間勤めた後、京都工芸繊維大学教授、同志社女子大学教授、法政大学教授を歴任。『RikaTan(理科の探検)』誌編集長。『面白くて眠れなくなる物理』『面白くて眠れなくなる化学』『面白くて眠れなくなる元素』(以上、PHP研究所)、『絶対面白い化学入門 世界史は化学でできている』(ダイヤモンド社)、『こんなに変わった理科教科書』(ちくま新書)など単著・編著多数。

藤倉 善郎(ふじくら よしろう)
ジャーナリスト、やや日刊カルト新聞総裁。東京都出身。大学在学中の1998年頃から自己啓発セミナー問題を取材し「北海道大学新聞」で連載。2004年からフリーランスとして宗教も含めたカルト問題全般を取材し雑誌等で執筆。2009年にウェブメディア「やや日刊カルト新聞」創刊。著書に『「カルト宗教」取材したらこうだった』(2012年、宝島新書)。共著に『徹底検証 日本の右傾化』(2017年、筑摩選書)、『昭和・平成オカルト研究読本』(2019年、サイゾー)、『増補版 陰謀論はどこまで真実か』(2021年、文芸社)など。

鈴木 エイト(すずき えいと)
ジャーナリスト、作家。滋賀県生まれ、日本大学卒業。「やや日刊カルト新聞」主筆。「カルト宗教団体と政治家」「カルトの2世問題」「ニセ化学・反ワクチン問題」等を取材。著書『自民党の統一教会汚染 追跡3000日』(小学館)、共著に『徹底検証 日本の右傾化』(筑摩選書)、『日本を壊した安倍政権』(扶桑社)。カルト問題啓発DVD『カルト~すぐそばにある危機!~』監修(日本脱カルト協会)。

雨宮 純(あまみや じゅん)
1980年代生まれ。理工系大学院を修了後、陰謀論やスピリチュアル、悪徳商法などについて執筆活動を展開。著書『あなたを陰謀論者にする言葉』(フォレスト出版)。サイゾーに『雨宮純の現代怪事廻説』を連載中。

桝本 輝樹(ますもと てるき)
亀田医療大学・同大学院准教授。千葉県佐倉市出身。専門分は環境科学。大学では生物学、情報科学、統計学、疫学、保健統計学、大学院では医療統計学を担当。国際基督教大学教養学部理学科卒、東邦大学理学研究科生物学専攻単位取得退学。千葉県立衛生短期大学助手、千葉県立保健医療大学講師を経て現職。『RikaTan(理科の探検)』誌編集委員。編著書に『図解 身近にあふれる「感染症」が3時間でわかる本』(明日香出版社)、分担著書に『世界が驚く日本のすごい科学と技術』(笠間書院)など。

福賴 宏隆(ふくより こうりゅう)
島根県松江市在住、安来法華経寺住職。消費生活アドバイザー。法華宗興隆学林で日蓮教学・仏教学を、筑波大学で宗教学を、島根大学大学院で行政法学を学び、島根県職員として消費者行政に通算6年間携わる。Twitterアカウント @hokke_com では趣味の話を交えながら「人の心」「科学と宗教」「ニセ科学」「カルト問題」などの話題を呟き、YouTubeチャンネル「法華コム 人の心を考える」では主に檀信徒向けの法話を配信している。

菊池 聡(きくち さとる) 
埼玉県出身。京都大学教育学部卒業・教育学研究科中退。専門は認知心理学、文化情報論。現職は信州大学人文学部教授,信州大学地域防災減災センター長。著書に『なぜ疑似科学を信じるのか』(化学同人)、『超常現象をなぜ信じるのか』(講談社ブルーバックス)、『超常現象の心理学』(平凡社新書)など。翻訳書に、ゼックミスタ&ジョンソン著『クリティカルシンキング 入門篇・応用篇』(北大路書房)など。放送大学TV授業「錯覚の科学」主任講師:現在、放送中。
原田 実(はらだ みのる)
1961年広島市生まれ。「江戸しぐさ」関連のほか、『偽書が描いた日本の超古代史』『捏造の日本史』(河出書房新社)、『偽書が揺るがせた日本史』(山川出版社)、『もののけの正体』(新潮社)、『つくられる古代史』(新人物往来社)、『疫病・災害と超古代史』(文芸社文庫)など歴史関連の著書・共著多数。HP「原田実の幻想研究室」(http://douji.sakura.ne.jp/)

齋藤 訓之(さいとう さとし)
1988年中央大学卒業。柴田書店『月刊食堂』編集者、日経BP社『日経レストラン』記者、農業技術通信社『農業経営者』副編集長等を経て独立。食の情報サイトFood Watch Japanを運営。公益財団法人流通経済研究所特任研究員。戸板女子短期大学食物栄養科非常勤講師。亜細亜大学経営学部非常勤講師。著書に『有機野菜はウソをつく』(SBクリエイティブ)、『食品業界のしくみ』(ナツメ社)など。

桑満 おさむ(くわみつ おさむ)
五本木クリニック院長。1986年横浜市立大学医学部卒業後、同大医学部病院泌尿器科勤務を経て、1997年に東京都目黒区に地域密着型のクリニックを開院。志だけは高く〝日本一の町医者〟(定義不明)を目指して地域医療にそれなりに貢献。またネットなどにはびこるニセ医学に危機感を抱き、エビデンスを用いて軽快かつ辛辣に論破していくブログで話題。著書に『“意識高い系”がハマる「ニセ医学」が危ない!』(育鵬社2019)がある。

呼吸発電(こきゅうはつでん)
福島県出身の一県民。福島第一原子力発電所事故後、故郷福島県では放 射能の恐怖につけ込んだニセ科学除染(科学的根拠のない放射能除染 法)が猛威を振るい、多くの人が騙されて被害を受ける可能性があったので、ニセ科学除染に警鐘を鳴らす活動を始めた。情報発信には主にツ イッター(@breathingpower)とトゥギャッターを使う。原発事故発 生時は茨城県に住んでいたが、現在は福島県民。

謎水(なぞみず)
暗黒通信団員。明治大学科学コミュニケーション研究所Gijika認定士(仮)。自宅マンションに磁気活水器を設置されたことがきっかけでニセ科学問題に取り組むようになった一般市民。ニセ科学の手口を取り上げた漫画「謎の水装置」で注目を集めるようになる。Twitter(@genmeisui)上での情報発信や、まとめサイト管理のほか、専門組織・自治体への取材を継続的に行なっている。
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