トランプ王国の素顔

著者・編者立岩陽一郎/著

― 元NHKスクープ記者が王国で観たものは

「トランプは裸の王様だ」。多くの国民から聞こえる声。アメリカ国民はトランプに何を求めているのか。メディアではあまり報じられていない国民各層のありのままの声を、元NHKスクープ記者がルポ。
吉岡忍(作家、日本ペンクラブ会長)、山本浩之(毎日放送「ちちんぷいぷい」メインMC)推薦。
著者は、イラク戦争、パナマ文書問題で活躍。現在、NPO法人「ニュースのタネ」編集長、公益法人「政治資金センター」事務局長として公開情報を駆使した調査報道に取り組む一方、ファクトチェックの普及に取り組む。毎日放送「ちちんぷいぷい」のコメンテーター。

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 四六判/256頁
ISBN 978-4-87154-159-6

目次

はじめに

1章 NHKを辞めたスクープ記者が新大統領の就任する国に乗り込んだ理由

2017年元旦、無職となり、米国へ/不祥事が続いたNHKの上層部と闘って
日本の「トランプ報道」は米国の焼き直し
アメフト界支配も狙った〝夢追い人〟トランプ

2章 就任式会場周辺に集まった、白人の「私」たちに感じた不快と恐怖

「トランプ次期大統領をどう思う?」と尋ねると…
調査報道の第一人者が率いるワークショップ
「今後についてはもちろん憂慮しているよ」
数々の疑惑、スキャンダル、不穏な空気…/言いようのない不快感と恐怖感
17歳の女の子がトランプに要求したもの

3章 中高年求職イベントと老人ホームで聞いた「私たちもトランプに言いたい!」

猛烈に好奇心を掻きたてられて/必死で仕事を探す中高年層の人々
給料がもらえれば、大統領は誰でもいい
「トランプが雇用を改善できるはずがない!」
60代になり、独立より安定を求める/「49歳で無職に? これから大変だよ」
雇用どころか、解雇が相次いでいる/あんな身びいきをするのはダメ
シニア層の良識が社会の希望になる

4章 いまの米国で「バスにしか乗れない」「英語が喋れない」人々の生活と意見

自分が降りるバス停がわからない…/運賃を持たずに乗ろうとする人々
米国に長く住んでいるのに英語が話せない/「トランプ」と聞いて、急に感情的になる
米国人の生活を良くすることなどできない/若い優秀な人材の芽を摘んでしまう政策
綺麗な英語が話せないと冷遇される/人種差別撤廃のシンボルはいまや…

5章 科学者の抗議デモで、政権の言い分を「虚数のような嘘」と断じた少年

科学を軽視する大統領への怒り/高齢を押して駆けつけた名誉教授
科学者の思いを子供に知らせたい/オバマの置き土産を踏みにじる
絶対に認められない/自由な議論が封じ込められていく
ユーモアと皮肉がたっぷり利いた文言/本当のことを叫んだ少年
声を上げずにいられますか

6章 製造業とプライドを取り戻すために、オハイオの人々は「王」を選んだ

ロボットの格闘技に盛り上がる人々/ここには白人しかいない
オバマもヒラリーも社会主義者だ!/政治家は信用できないが、トランプは違う
米国のものづくりが失われてしまった
仕事と収入、そして誇りを取り戻したい
トランプをめぐる激論/「銃」「妊娠中絶」「同性婚」で意見が対立

7章 星条旗に祈り、マッチョに体を鍛えるジョージアのお父さんたち

高校時代の親友との再会/深南部の美しい田舎町に立つ白亜の家
絵に描いたように幸せな一家/「オバマは米国を弱くしてしまった」
メジャーリーグの試合の愛国的な演出/「米国はあまりにも譲歩しすぎてきた」
星条旗の周りで跪く男たち/マッチョな雰囲気の超ハードトレーニング
「男のリーダーシップ」を育成する集まり/「私たちは人種差別主義者ではない」
オバマは広島で謝罪したのか?/米国のものがすべて一番とは考えてない

8章 潜入した「王の居城」で、心臓が凍えるような恐怖を体験

ホワイトハウスに近い超高級ホテル/「大統領のホテル」の働き心地は?
「TRUMP」の文字があちこちに/備品はすべて米国製なのか?
ゴルフ以外に興味がない「王」/完全に監視されている?
利益相反の温床/毎日、巨大な金と利権が動く場
「何かがおかしい」という感覚

9章 「海兵隊の街」に潜入して見た最強軍団の〝聖地と秘密〟

斜めに傾いた三角形の建物/身柄を拘束されるかもしれない
瞬時に人を殺せる戦闘のプロ/エアコンなしで猛暑に耐える
海兵隊員が教会で神に祈ること/完全に怪しまれている
髪をマリーンカットにしてみない?/「聖地」に置かれていたもの
硫黄島がある日本は特別な国/海兵隊の勘違いがトラブルを生む
トランプが軍に被害をもたらす

10章 「王」と戦う米国ジャーナリズムの批判精神はこう作られる

今さら何を言っているのか/米国では憲法がジャーナリズムを守る
米国生活をいったん中断した理由/ジャーナリズム大学院の大きな意義
ジャーナリズム教育を軽視する日本/大物記者が振り返る「一生の思い出」
あの記者がいる限り、米国は大丈夫/取材先と「酒を飲め」「風呂に入れ」
取材相手との飲食は絶対にダメ/トランプに感謝しなければならない!?
トランプと金正恩委員長との会談はあり得ますよ
トランプに外交政策はあるのか?
本音を共有してもらえた幸福感


あとがき

著者略歴

立岩陽一郎(たていわ よういちろう)

1967年、神奈川県生まれ。1991年、一橋大学卒業。
NHKでテヘラン特派員、社会部記者、国際放送局デスクとして勤務し、政府が随意契約を恣意的に使っている実態を暴き随意契約原則禁止のきっかけを作ったほか、大阪の印刷会社で化学物質を原因とした胆管ガン被害が発生していることをスクープ。「パナマ文書」取材に中心的に関わった後にNHKを退職し、アメリカン大学(ワシントンDC)フェローとなる。
現在、認定NPO法人運営「ニュースのタネ」編集長、公益法人「政治資金センター」事務局長として公開情報を駆使した調査報道に取り組む一方、ファクトチェックの普及に取り組む。
毎日放送「ちちんぷいぷい」のコメンテーター。
著書に、『NPOメディアが切り開くジャーナリズム』(新聞通信調査会)、『ファクトチェックとは何か』(共著、岩波書店)、『フェイクと憎悪』(共著、大月書房)、『トランプ王国の素顔』(あけび書房)
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