18歳のビッグバン

著者・編者小林春彦/著

-見えない障害を抱えて生きるということ
中・高校時代は吹奏楽部に所属し、全国大会にも出場。大学受験を目指していた18歳の春に「広範囲脳梗塞」で倒れ、身体機能と脳機能に重複した障害を抱えた筆者。
3年のリハビリや闘病を経て一部の障害を克服するが、外見からは困難が分からない中途障害者となる。
いま28歳の筆者は、東大先端科学技術研究センターに従事し、「DO-IT Japan」リーダーとして、「見えない障害」問題、「健常者福祉」のテーマで講演し、トークイベントやメディアにも多数出演。渾身の書

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 四六判/240頁
ISBN 978-4-87154-138-1

目次

まえがき
プロローグ―母校からの講演依頼
第1章 生い立ち~三田学園時代

音楽の流れる家
どこにでもある、ふつうの家族だった
地鳴りに目覚める阪神大震災
見知らぬ転校生がやってきた
タテ社会で文化部の体育会系
吹奏楽部への入部を決めた日
武勇伝にもならない2000年問題
「なんでやねん事件」
みんなで全日本大会に出場するぞ!
100万円のご褒美を手に入れる
JR福知山線脱線事故発生
一本の電話に悪寒が走った

第2章 診断名「右中大脳動脈閉塞症・広範囲脳梗塞」

景色が歪んで遠のいていく意識
「朝までが峠だろう」
集中治療室で目が覚める
まるで「金魚のまばたき」
恐怖の13階・脳神経病棟
精神安定剤で耐える真夜中
おれは赤ん坊じゃないんだ
四つん這いで「ハイハイ」を始める
病室のコスモロジー
狭い個室で語り明かした夜
二度目の開頭手術が決まった
頭にできた虫歯が顔を支配する
待ちに待ったはずの退院後の生活
安堵と不安が波のように寄せて返す
ますます募る違和感
座標軸を失った鏡の前の不審者
病人と不登校児の交差点
7年ぶりの再会を果たす
「苦しいところに行かせて悪かった」
敷かれたレールと道なき道を行く2人

第3章 姿を現した障害との闘い

「病因をはっきりさせたい」
生死について考え続けた日々
まるでおとぎ話か冗談
「不思議の国のアリス」みたい
「僕、バカになったみたいなんです」
苦し紛れに言葉にならぬ言葉を発し続ける
「眼が見える」という娯楽
理解者を求めて探し回った
自分を体系化すると決め込んだ任意入院
曖昧にしてきたことが輪郭を見せ始める
どんぐりころころが歌えない
大好きだった音楽から逃げるようにして
「治療」なのか「支援」なのか
リハビリへの複雑な想い
中高の先輩との再会が転機に
病室からメールを送り続ける

第4章 自分探しの日々

中邑賢龍先生と運命のチラシ
精神論から合理論への道標
「治す」ことよりも「気づく」こと
リハビリという迷路で光を探していた
病院を抜け出してシャバへ
キケンな二十歳の誕生日
もう一度、新しい場所でチャレンジしてみよう
DO‐IT Japanのメンバーに選ばれる
ラベルが付いたと思えばまた疎外感
障害の「受容」について考え始める
家族の反対を押し切り東京へ
親離れ子離れと憧れに身を任せ
ストレスフルな東京生活
新しい場所も甘くはなかった
社会の矛盾が許せなかった
大学入試制度に挑戦する
5年越しの制度改革
「君は日本の教育制度にメスを入れたんだ」
障害は個性だなんて、口が裂けても言えない
「思う存分、好きなようにぶちまけてみろ!」
障害者でも健常者でもない何者かを目指して
毎日が体当たりと試行錯誤の連続だった
「あなたは人の心の痛みが分からない人」
恋とも言えない恋の哀しい結末
「もう一度、音の世界に戻りたい」
音楽の専門学校に通い始める
DO‐IT創始者シェリル博士との出会い
日本を飛び出し念願のアメリカへ
東日本大震災での出会い
みちのく希望コンサート
親友が東京にやってくる
男同士の不思議なルームシェアが始まった

第5章 未来に向けて

多様性に開かれた共生社会に向けて
人はマジョリティとマイノリティを行き来する
障害を再定義せよ
フェイストゥフェイスの対話とリアリティ
福島智先生とのディナー会
僕も知らない僕を巡って
帰郷、そして帰京
僕は僕に逢いに行く

エピローグ―原宿駅、雨宿りの再会
あとがき

JR福知山線事故から10年
合理的配慮の時代がやってくる
出版に際しての想い

著者紹介
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