著者略歴
宮沢賢治
一八九六(明治二九)年八月二七日一九三三(昭和八)年九月二一日。郷里の岩手県で教師・農業指導者・技師として活動するとともに、仏教信仰と農民生活に根ざした創作を行う。没後、広く知られるようになり、国民的作家に。『銀河鉄道の夜』『風の又三郎』『注文の多い料理店』、詩集『春と修羅』など。
寒川光太郎
一九〇八(明治四一)年一月一日― 一九七七(昭和五二)年一月二五日。一九四〇年、『密猟者』で第10回芥川賞を受賞、北海道出身者としては初。アジア太平洋戦争に海軍報道班員として従軍、フィリピンで米軍捕虜となった経験から遺骨収集を政府に訴えた。戦後は冒険小説や偉人伝などを多く書いた。
戸川幸夫
一九一二明治四五)年四月一五日―二〇〇四(平成一六)年五月一日。動物に関する豊富な知識を元に動物文学を確立。一九五四年、「高安犬物語」で直木賞を受賞。七七年、『戸川幸夫動物文学全集』で「日本文学に動物文学という新しいジャンルを開き、独自の高峰をうちたてた」として芸術選奨文部大臣賞受賞。
吉村昭
一九二七(昭和二)年五月一日―二〇〇六(平成一八)年七月三一日。一九六六年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、同年発表の記録文学の大作『戦艦武蔵』や『関東大震災』などにより一九七三年に菊池寛賞を受賞。史料検証を重ね、緻密な記録、歴史文学で知られる。三毛別羆事件を描いた『羆嵐』がある。