どうするALPS処理水? 科学と社会の両面からの提言

著者・編者岩井孝、大森真、児玉一八、小松理虔、 鈴木達治郎、野口邦和、濱田武士、半杭真一(著/文)

福島第一原発廃炉に伴うALPS処理水の海洋放出は、放射性物質のリスクをどう考えるか、放出が被災者の福島県にどんな影響を与えるか、などの議論が行われて、一致点が形成されるべき課題であった。
処理水問題を解決するために最も適切な道すじを見出すことは、被災地の今後を少しでも良くしていくことにつながる。
そのために、さまざまな分野の執筆者がこの問題を科学・技術的、社会的な側面から分析し、どう解決していけばいいかを提案する。

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 A5判 172ページ
ISBN 978-4-87154-254-8

目次

はじめに―この本で伝えたいこと―

第1章 ALPS処理水とトリチウムの基礎知識
第1節 ALPS処理水の基礎知識(野口 邦和)
第2節 トリチウムの放射線影響とALPS処理水海洋放出のリスク(児玉 一八)

第2章 なぜ漁業者は処理水の海洋放出を認めないのか(濱田 武士)

第3章 福島県民は海洋放出をどう受け止めたか
 第1節 マスメディアはどうあるべきだったのか(大森 真)
第2節 一人の農業研究者からみた海洋放出(半杭 真一)
 第3節 処理水に振り回されるいわきの漁業(小松 理虔)

第4章 汚染水対策は事故機の廃炉とも密接に関係する (岩井 孝)

第5章 政治の責任をどう果たしていくか―安心と信頼が得られなければならない―(鈴木達治郎)

第6章 処理水問題の解決に向けた科学・社会両面からの提案
⑴ 科学の到達点を共有することを前提に(岩井 孝)  
⑵ 消費者と漁業者の相互理解を深めるには(大森 真) 
⑶ 科学的な「相場観」を持って、丁寧な情報の伝達と共有を(児玉 一八)
⑷ 福島第一原発廃炉措置の全体の枠組みを見直せ(鈴木 達治郎)
⑸ ALPS処理水の陸上保管を求める(野口 邦和)
⑹地域の意思決定は機能したか(半杭 真一)

あとがき

著者略歴

岩井 孝(いわい たかし) 専攻は原子核工学。日本科学者会議原子力問題研究委員会委員。
大森 真(おおもり まこと) 元テレビユー福島報道局長。2016年春退社し飯舘村役場に転職。
児玉 一八(こだま かずや) 専攻は生物化学、分子生物学。核・エネルギー問題情報センター理事。
小松 理虔(こまつ りけん) 地域活動家。地域の中小企業や医療福祉法人の情報発信、コミュニティデザインなどに関わる。
鈴木 達治郎(すずき たつじろう) 元原子力委員会委員長代理。長崎大学核兵器廃絶研究センター教授。
野口 邦和(のぐち くにかず) 専攻は放射化学、放射線防護学、環境放射線学。元日本大学准教授。
濱田 武士(はまだ たけし) 専攻は地域経済論、水産政策論。北海学園大学経済学部教授(開発研究所長兼任)。
半杭 真一(はんぐい しんいち) 東京農業大学国際食料情報学部アグリビジネス学科准教授。専門分野は農産物のマーケティングと消費者行動研究。
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(本体価格:¥1800)
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