3・11から10年とコロナ禍の今、ポスト原発を読む

著者・編者吉井英勝/著

福島第一原発事故を予見する国会質問を歴代内閣に問い続けた元衆議議員の著者が、原子力政策をめぐる国会での追及を振り返るとともに、原発からの撤退とその先を読む。コロナ禍で「三密」回避が必要とされる今こそ、再生可能エネルギーを住民本位で普及することで、地域経済・社会を持続可能な発展へとつなげる展望を示す。

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「3・11から10年とコロナ禍の今、ポスト原発を読む」吉井英勝さん出版記念講演会


●舘野淳さんの論考がウェブ論座に公開
『福島第一原発事故10年の再検証—原子力政策を批判し続けた科学者がメスを入れる』
https://akebishobo.com/product/fukushima-2
の共著書・舘野淳さんの論考がウェブ論座に掲載されています

「コロナ禍・放射能災害の中で『正しく恐れる』ことの意味を問う
科学忌避論はなぜ生まれるのか」
舘野淳 核エネルギー問題情報センター事務局長
https://webronza.asahi.com/national/articles/2021032500006.html

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 四六判/208ページ
ISBN 978‐4-87154-186-2

目次

はじめに

第Ⅰ部 自然現象の大震災と人災の原発事故
 
第1章 福島第一原発事故は防げなかったのか
1  地球史的規模の自然現象
2  阪神・淡路大震災で巨大な被害を認識
 
第2章 3・11の現実〈原発と地震〉
1  阪神・淡路大震災は原発危機を示した
2  国会で初めての「原発と地震」の本格的解明
 
第3章 東日本大震災での巨大地震と津波の威力
1  カムチャッカ地震と同じ規模
2  巨大な地震・津波と原発被害の二重の災害
3  地震・津波は自然現象、異常気象は人為的災害
 
第4章 原発老朽化の現実
1  加圧水型原発(PWR)の老朽化で何が起こったか
2  蒸気発生器細管で今も金属片の異常発生
3  美浜原発3号機で配管破断事故
4  データ改ざん、不正報告、なんでもありの東京電力
5  内部告発も東電に漏らす経産省
 
第Ⅱ部 国会と司法での「原発安全神話」との闘い
 
第5章 原発の安全性をなぜ調べないのか
1  老朽化原発が地震直撃で大丈夫か?
2  地震国でも「安全」とした多度津試験装置
3  ひび割れのある原発も試験せず
 
第6章 訴訟で追及された福島原発事故の責任
1  仙台高裁判決に先立つ原告団の取り組み
2  原発事故対策に必要な送電線
3  東電も津波による浸水を想定
4  「責任を負うべき者にその自覚がない」
5  仙台高等裁判所の判決書
6  責任ある方の最後の辞
 
第Ⅲ部 原発と核兵器の危険性を問うた国会論戦
 
第7章 「核技術」を平和で安全なものに閉じ込める
1  軍事に引き込まれる原子力行政
2  日米安保下での放射能汚染と原発事故時対策
3  核兵器開発と原発使用済み核燃料
 
第8章 原発と核融合炉をめぐる政治の動き
1  自主・民主・公開、核兵器禁止
2  核の研究に向き合う姿勢
 
第Ⅳ部 コロナ禍以後の脱原発・リスク分散社会へ
 
第9章 原発廃止の後始末をどうする
1  なぜ異常な「原発」体制ができたのか
2  「原発利益共同体」は財界中枢部
3  エネルギー計画に民意が反映されない
4  「核」にもライフサイクル・アセスを
5  アセスは汚染水や廃棄物にも
6  「核燃料サイクル」と最終処分場
 
第10章 日本のこれからのエネルギー
1  脱石炭と再エネへの取り組み
2  巨大資本ではなく住民主体の再エネを
3  再エネの豊かな可能性
4  再エネで持続する地域経済・社会をどう築くか
 
第11章 再エネで持続可能な地域経済へ
1  地域経済の発展につながる再エネ
2  リスク分散した持続発展の道をどこに求めるか


あとがき

著者略歴

吉井 英勝(よしい ひでかつ)
1942 年京都市生まれ。京都大学工学部原子核工学科を卒業後、1967 年より真空技術会社
勤務。会社から派遣されて東京大学原子核研究所、東京工業大学理学部応用物理学科で真
空技術、金属薄膜や絶縁体薄膜の研究に従事する。
堺市議3期、大阪府議1期を経て、1988 年の参議院補欠選挙(大阪選挙区)で当選、
1990 年から 2012 年まで衆議院議員を7期務める。
国会議員引退後、原発・エネルギー・地域経済研究会(略称:吉井研究会)を立ち上げて
いる。
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