ある経理部将校の戦争日記 侵略と植民の意識の記録

著者・編者天野聖子


出版社からのお知らせ

後方支援の任務にいた経理部将校の日常から戦中の日本人の〝帝国〟意識を考察


戦争は、前線だけで起きていたのではない。
古希を迎えた著者のもとに届いた一箱の遺品としてセピア色の写真とともに現れたのは、昭和18年、戦時下の日々を綴った父の小さな日記だった。
そこに記されていたのは、銃を手に戦う兵士の記録ではない。
物資や人員を支える“経理部将校”として戦争に関わった、一人の男の現実である。
兵站、補給、管理。
戦争を成立させるもう一つの現場。そこには、戦闘とは異なる葛藤と、見過ごされてきた「加害の構造」が静かに刻まれていた。

不器用な文字を読み解くうちに浮かび上がるのは、父という個人の姿だけではない。
語られなかった戦争、直視されなかった侵略と植民の意識、そしてそれらを抱えたまま戦後を生き抜いた人々の沈黙である。

やがてその影は、家庭へと入り込む。
暴力、断絶、そして言葉にされない苦しみ――。戦争は形を変え、次の世代へと連鎖していく。
本書は一冊の日記を手がかりにした「個人の記録」であると同時に、日本という国が抱えてきた記憶の空白に光を当てる試みであり、いまを生きる私たちへの静かな警鐘でもある。

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 108
ISBN 978-4-87154-314-9

目次

はじめに
父の人生と日記の解説
父の日記
おわりに

著者略歴

 1949年、中野区で生まれる。3人兄弟の真ん中の唯一の女の子だった。上智大学社会学科(社会福祉専攻)を卒業後 京都の精神病院に就職する。その体験が契機となってケースワーカーとして精神科病院で15年働いた。
 1987年、友人達と国立市内に共同作業所を作り10年間3か所の作業所を立ち上げた。
 1997年には社会福祉法人多摩棕櫚亭協会を設立、就労移行支援事業所ピアスを作って精神障碍者の就職とその後の定着支援に力を入れた。
 2016年、次世代に組織を引き継いで理事長を退任し翌年69歳で退職した。
 国立には1972年(23歳)から現在まで住んでいる。この間シングルマザーで一男一女を育てた。
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