暗愁

著者・編者Juliet S. Kono

ハワイから東京、京都、そしてヒロシマヘ
戦禍の苦難を生きた日系二世少女の成長物語

東京大空襲を逃げまどい、広島で被爆者として戦後を生きる。
原爆で幼子を失った罪意識を背負い、京都で学んだ仏教の教えから「暗愁」にとり憑かれ生き抜くヒューマン・ドラマ。

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 46判 464ページ
ISBN 978-4-87154-247-0

目次

第一部 ハワイ 一九二〇年代―一九四一年十一月
 第一章 火の子
 第二章 火の玉
 第三章 寂しさ
 第四章 サトウキビ焼き畑
 第五章 ミヨのお金

第二部 東京 一九四一年十一月―一九四五年三月
 第六章 新しい家族
 第七章 隣人たち
 第八章 サーちゃんとハルエ伯母
 第九章 罠
 第十章 ハマダさん
 第十一章 アキラの赤ちゃん
 第十二章  言葉
 第十三章  スミエ
 第十四章  飢え
 第十五章  ノリオ
 第十六章  飛行訓練
 第十七章  神風
 第十八章  焼夷弾

第三部 京都 一九四五年三月―一九四五年六月
 第十九章  余波
 第二十章  路上
 第二十一章 暗愁
 第二十二章 カズオ
 第二十三章 約束

第四部 広島 一九四五年六月―一九四九年
 第二十四章 旅立ち
 第二十五章 尋問
 第二十六章 オガワ親子
 第二十七章 プロボーズ
 第二十八章 バスを降りる
 第二十九章 瀕死
 第三十章  降伏
 第三十一章 ヒバクシャ
 第三十二章 治癒―一九四六年の春
 第三十三章 再び京都へ
 第三十四章 真なるあるがままの生

訳者あとがき

著者略歴

Juliet S. Kono(ジュリエット・S・コーノ)
1943年ハワイ島ヒロ生まれ、ヒロ育ちの日系三世。ハワイ大学マノア校卒業、同大学院修士課程修了。大学在学中にハワイ文芸誌Bamboo Ridgeの文学運動に参加。詩人として執筆活動を続け、詩集Hilo Rains(1988年)やTsunami Years(1995年)を出版。Anshū: Dark Sorrow(『暗愁』)(2010年)は長編小説第一作。これまでハワイ文学賞(2006年)など様々な賞を受賞。現在はホノルル在住。『暗愁』出版当時、地元のリーワード・コミュニティカレッジで創作を教授。浄土真宗の僧侶でもある。

訳者:前田一平(まえだ・かずひら)
1953年、高知県中村市生まれ。広島大学大学院博士課程修了。セントラル・ワシントン大学客員教授、ワシントン大学客員研究員。鳴門教育大学名誉教授。著書に『若きヘミングウェイ 生と性の模索』(南雲堂)、監修・共著書に『ヘミングウェイ批評 三○年の航跡』(小鳥遊書房)、他。翻訳にジェイミー・フォード著『あの日、パナマホテルで』(集英社)。
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