安保法制下で進む! 先制攻撃できる自衛隊

著者・編者半田滋/著

―新防衛大綱・中期防がもたらすもの
国民生活を犠牲にしてのアメリカからの武器の爆買い、激増する「防衛費」、軍事機密の急増、護衛艦「いずも」空母化だけでない敵地先制攻撃型兵器の拡充…。
南スーダンで何が起きていたのか? 「日報」隠蔽の真相は? 自衛官の胸の内は? …。
安倍政権下で急速に変貌しつつある自衛隊の姿を、東京新聞記者の筆者が徹底レポートする。
筆者は、防衛庁取材を担当し、米国、ロシア、韓国、カンボジア、イラクなど海外取材の経験も豊富。平和・協同ジャーナリスト大賞、日本ジャーナリスト会議賞を受賞

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商品情報

発売日
サイズ・ページ数 四六判/264頁
ISBN 978-4-87154-169-5

目次

はじめに

1章 安倍首相のもとで変化する日本
 
日本が迎える「茶色の朝」
二転三転する安倍首相の憲法改正の理由
可能になった集団的自衛権の行使
18大綱で解禁された攻撃的兵器群
新設された国家安全保障会議
特定秘密保護法の原点とは
ミサイル防衛システム導入でGSOMIA締結
国家安全保障会議の結論は「特定秘密」
変えられた教育基本法

2章 防衛大綱からみえる自衛隊の変化
 
「湾岸戦争のトラウマ」のうそから始まった自衛隊の人的貢献
日米安保条約の本質を見抜いた「ミスター外務省」
イラクの米兵空輸で違憲判決を受けた自衛隊の活動
日本政府があおる「北朝鮮の脅威」
中国が海軍力強化に乗り出した理由とは
米国の北朝鮮への空爆検討で求められた対米支援

3章 専守防衛を逸脱する18大綱
 
あんパンに見せかけた激辛カレーパン
空母保有を目指した海上自衛隊
言い出しっぺは自民党だった「いずも」の空母化
政治主導による軍事国家化の実現
安倍外交の失敗で後退した米国の日本防衛
保有可能になった長距離ミサイル群
大綱、中期防で解禁される「敵基地攻撃」
実現不能、北朝鮮のミサイル基地への攻撃

4章 イージス・アショアとF35―米国製武器が呼び込む混迷
 
住民生活を脅かすレーダー波
イージス・アショアの東欧配備で始まった米ロの対立
F35を105機の大量購入は一石二鳥になるのか
F35Aが青森沖に墜落―世界初の事故が日本で起きた
航空自衛隊の戦闘機はすべて戦闘攻撃機に
電子戦で米軍をしのぐロシア軍を追走する
18大綱サイバー攻撃対処とシビリアン・コントロール

5章 施行された安保法制
 
適用第1号となった南スーダンPKO
「宿営地の共同防護」をやらないと決めた隊長
「落ち着いている」と日本政府、国連は「危険極まりない」
稲田防衛相が「戦闘」を「衝突」と矮小化した理由
首相補佐官が来て突然、撤収を命令
「駆け付け警護」の合法化を求めた陸上自衛隊
シナイ半島に陸上自衛隊幹部を派遣

6章 はじまった米軍防護、揺らぐ防衛政策
 
「自衛官」の判断で集団的自衛権行使も
公表されない米艦防護、米航空機防護の中身
米中「新冷戦」のもと、海上自衛隊が南シナ海へ進出
「自由で開かれたインド太平洋」で存在感を強める自衛隊
揺らぐ「防衛の基本政策」の4項目
第4次アーミテージ・レポートの驚くべき中身

7章 米国製武器の爆買いと私たちの生活
 
FMSがついに7000億円を突破
グローバルホーク購入費とは別に米人の生活費を負担
「曲がれず、上昇できず、動けない」というF35Bを購入へ
海兵隊もびっくり―離島防衛で使えない水陸両用車も大量購入
政治家が「これで戦え」と選定したオスプレイ
イージス・アショア1基断念で削られなくてすむ社会保障費
政策の目玉、高等教育の「無償化」のまやかし
OECD調査で最下位―教育にカネをかけない日本政府
憲法改正で現れる自衛隊の変化とは


あとがき

著者略歴

半田 滋(はんだ・しげる)

1955年(昭和30)年、栃木県宇都宮市生まれ。
東京新聞論説兼編集委員。獨協大学非常勤講師。法政大学兼任講師。
下野新聞社を経て、1991年中日新聞社入社、東京新聞編集局社会部記者を経て、2007年8月より編集委員。2011年1月より論説委員兼務。
1993年防衛庁防衛研究所特別課程修了。1992年より防衛庁取材を担当し、米国、ロシア、韓国、カンボジア、イラクなど海外取材の経験豊富。防衛政策や自衛隊、米軍の活動について、新聞や月刊誌に論考を多数発表している。2004年中国が東シナ海の日中中間線付近に建設を開始した春暁ガス田群をスクープした。
2007年、東京新聞・中日新聞連載の「新防人考」で第13回平和・協同ジャーナリスト基金賞(大賞)を受賞。
『「戦地」派遣 変わる自衛隊』(岩波新書)で2009年度日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞受賞。
著書に、『検証 自衛隊・南スーダンPKO-融解するシビリアン・コントロール』(岩波書店)、『「北朝鮮の脅威」のカラクリ』(岩波ブックレット)、『零戦パイロットからの遺言-原田要が空から見た戦争』(講談社)、『日本は戦争をするのか-集団的自衛権と自衛隊』(岩波新書)、『僕たちの国の自衛隊に21の質問』(講談社)、『集団的自衛権のトリックと安倍改憲』(高文研)、『改憲と国防』(共著、旬報社)、『防衛融解 指針なき日本の安全保障』(旬報社)、『自衛隊VS北朝鮮』(新潮新書)、『闘えない軍隊』(講談社+α新書)、などがある。
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