二・二六事件 安藤輝三とその時代

著者・編者佐川仁一


出版社からのお知らせ

 多くの未公開資料により初めて明かされる安藤輝三の真実 二・二六の遺族の苦悩と事件の実相に迫った一冊!

混迷と激動の一九三〇年代
青年将校がめざした〝昭和維新〟とは何だったのか、彼らはなぜ二・二六に突入したのか―-

 二・二六事件は、どこに光を当てるかで相貌が変わる不可思議な多面体である。それはまた、事件を一定の枠の中に押し込めて語ることの不毛と不可能を意味してもいる。
本書はあらゆるイデオロギーから解放されて、時代の内側から事件と人物を叙述しようとした試みである。
 いま世界には分断と対立が渦巻き、国内でもそれが顕在化しようとしているのを感じて慄然とすることがある。
 経済格差と防衛問題が焦点となっているが、これは二・二六の時代も同様であった。
くり返してはならない歴史があるとするなら、一九三〇年代の日本を知ることで、私たちはその知恵を共有することができるのではあるまいか。
(著者からのメッセージ)

商品情報

発売日
サイズ・ページ数 四六判 354ページ
ISBN 978-4-87154-306-4

目次

─ プロローグ─


現代に横たわる「タブー」としての二・二六/消された名前と、輝三への旅/本書上梓のきっかけ/歪められた事実と資料のゆらぎ/現代メディアと記憶の継承/今、問いかける意味

壱 父安藤栄次郎と輝三の少年時代
父の任地をたずねて/履歴書との出会い/父安藤栄次郎/国民英学会/栄次郎、教員となる/栄次郎の結婚/輝三の誕生/上田時代/鹿児島時代/示現流と輝三/なぜ二中だったのか/宇都宮での安藤一家/陸軍幼年学校/幼年学校受験/大正デモクラシーとストライキ/分限令をめぐって
 
弐 幼年学校・士官学校時代 
幼年学校入校/生徒監菊地米三郎/幼年学校の一日/特別大演習陪観/期が合わない/〝延期〟とは何だ/スペイン風邪/二十三期生として/復調とスランプ/生徒監井上政吉大尉/幼年学校卒業/陸軍士官学校予科へ/歩兵科へ/秩父の宮との出会い/秩父宮からの手紙/市ヶ谷台造反記/少尉任官 

参 昭和維新への胎動
昭和初期の世相/政治のしくみ/元老と政党政治/北一輝/日本改造法案大綱/玄洋社/三つの座標軸/天皇崇拝は擬装か/大川周明/青年将校/青年将校と日本改造法案大綱/西田税/バーデン・バーデンの盟約と永田鉄山/桜会と三月事件/三月事件と永田鉄山/三月事件の持つ意味/任官後の輝三/菅波三郎の上京/菅波と輝三/郷詩会の会合/満洲事変と十月事件/十月事件の失敗/荒木貞夫の陸相就任/血盟団と五・一五の人々/陸軍側との亀裂/血盟団事件/歩三での会談/五・一五事件/西田銃撃/五・一五と秩父宮/菅波とばされる

四 結婚から中隊長就任まで 
輝三の結婚/佐野房/房と陸上競技/房の秘密/対支一撃論/荒木陸相の退任/統制派の誕生/富永半次郎との出会い/『國體の信念』/鈴木貫太郎に会う/房への手紙/講習会をめぐって/永田鉄山と輝三/陸軍パンフレット/大尉と中隊長/松谷磐少佐/樋口季一郎/日蓮主義(一)/日蓮主義(二)/士官学校事件/中隊長就任/いささかも覚え無之候/法華の太鼓=もうひとつの国家改造/ない袖を振る/理想の中隊長像を求めて/天皇機関説問題/真崎教育総監更迭/渡辺錠太郎/磯部と村中の免官/相澤事件/尊皇の士/二・二六への導火線 

五 満洲移駐、苦悩と決断
満洲移駐/統帥権と帷幄上奏/昭和十年夏~秋/直接行動への傾斜/栗原のあせり/首謀者は誰か/磯部の高官詣で/東京憲兵隊/週番司令/松谷と西田/輝三の苦悩/決断 

六 二・二六事件
非常呼集/『郷土兵』と順路/千鳥ヶ淵/侍従長襲撃(一)/侍従長襲撃(二)/侍従長襲撃(三)/侍従長襲撃(四)/侍従長襲撃(五)/重臣ブロックの正體/二階行きの謎/機敏だったタカ/武人の情け/二十六日の宮中/陸軍大臣告示/維新大詔渙発なるか/昭和天皇の怒り/天皇の側近たち/戒厳令布告/奉勅命令/下達されなかった奉勅命令/決心変更/自決か決戦か/革新皇族秩父宮/流謫の皇子/父宮の上京/秩父宮の令旨/決戦前夜/キタからの電話/山王ホテルへ/帰順 (一)/帰順 (二)/帰順 (三)/帰順(四)/帰順 (五)

七 東京陸軍軍法会議
「東京陸軍軍法会議」の設置/暗黒裁判とは何か/参謀長口演要旨/予審開始/栄次郎と日本改造法案大綱/手紙(一)/手紙(二)/東京陸軍軍法会議 公判(一)/東京陸軍軍法会議 公判(二)/東京陸軍軍法会議 公判/東京陸軍衛戍刑務所/万斛の恨/泥沼のあぶくもたたず

八 復活 
戒名にその文字は/賞揚哀悼することを得ず/写真班とは/栄次郎の手紙/感涙に咽び候/栗原如山/分骨の呼びかけ/はじめての焼香/戒名と法名/栄次郎は行かなかった/区議会議員になった栄次郎…404/仏心会の人々(一)/仏心会の人々(二)/だれも知らない/本当にそうか…412/家族から子孫へと…415
同窓会名簿/二・二六事件全殉難者慰霊法要/輝三の名前は消されのたか/じいちゃん、来たよ/待ち焦がれていた電話/恩讐をこえて/日出雄氏との別れ

調査ノートを閉じて

安藤輝三関係略年譜
参考文献・資料一覧
ご協力いただいた方々(順不同)

著者略歴

佐川仁一(さがわ じんいち)

 1953年生まれ。中央大学法学部法律学科卒。元学習塾経営。
 栃木県立宇都宮高校のPTA・同窓会の役員をつとめたとき、安藤輝三が旧制宇都宮中学の出身であったことを知り、安藤と二・二六事件の調査・研究を始める。2014年に安藤輝三の名を同校の同窓会名簿に復活。輝三の次男安藤日出雄氏と交流する中で、安藤家に残る文書類と遺品を託され、歴史学者秦郁彦先生のご助力を得て、2019年、国立国会図書館憲政資料室と鈴木貫太郎記念館を所管する千葉県野田市への寄贈を実現。2024年2月、防衛ジャーナリスト半田滋氏の仲介でYouTubeデモクラシータイムス「高瀬毅のずばり!真相」で『二・二六事件と青年将校』を配信。現在は国会図書館への第二次寄贈に向けて準備中。
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