国のモデルとしての棄民政策

1,760

藤藪貴治、尾藤廣喜/著
四六判/224頁 2007年12月発行
ISBN978-4-87154-075-9

Tag:

説明

生活保護「ヤミの北九州方式」を糾す

「オニギリ食いたい」の日記を残して餓死などなど…。とりわけ、餓死や自殺頻発の北九州市。国が「優等生」とし、「国の生活保護切り下げ・切り捨ての源流・構造・手本」といわれる北九州市生活保護行政。その内実と問題点を告発し、生活保護改善の展望を示す。
筆者は、元北九州市福祉事務所職員と弁護士(生活保護問題対策全国会議代表幹事)。

 

目次

はじめに

Ⅰ部 いのち切り捨ての実態とその元凶を糾す    藤藪 貴治

1章● 3年連続4件の餓死・自殺事件
「オニギリ食いたい」の日記を残して――小倉北餓死事件
「次男がだめなら長男に援助してもらえ」――門司餓死事件
「土下座までしたのに…」――八幡東餓死事件
「働かん者は死ねばいいんだ」――小倉北自殺事件

2章● 虐げられ、蔑まれ、命を奪われた人びと
「強い意志で自立せよ」――ケースワーカーがお手本見せて辞退届を強要
「子どもを施設に入れて働きなさい」――生活保護から排除される母子世帯
生活困窮者は市外に出ていけ――生活保護難民の市外流出問題
究極の「水際作戦」=面接ボイコット――面接主査はサボタージュで出世する
組合弾圧とともに「水際作戦」がやってきた――蔓延する「惰民取締り思想」の根源

3章● 「ヤミの北九州方式」のからくりを暴く
北九州市生活保護行政の歴史的背景
国家意思で開始された「ヤミの北九州方式」
はじめに「300億円ルール」ありき
「数値目標」で職員にノルマ設定
「自立重点ケースの選定」という「数値目標」
保護廃止への阿弥陀くじ
数値目標で福祉事務所を競わせる
「防波堤」としての面接主査制度
国の監査が支配する福祉事務所の人事評価
全国の「モデル福祉事務所」

4章● 「ヤミ」を支える「オモテの北九州方式」
福祉の「21世紀のモデル都市」北九州市
「ふれあいネットワーク活動」実績は水増しでは?
「仮想」が「実態」を凌駕する
壮大な「住民動員」政策
「ヤミ」+「オモテ」=恤救規則

5章● 北九州から反貧困の狼煙を
検証委員会も「ヤミの北九州方式」を批判
門司餓死事件が歴史を転換させた
北九州市を揺るがした3日間
申請率100%の大きな成果
市民運動が非を認めさせた
国は簡単には「ヤミ北」を手放さない
「生活保護の三井三池闘争」

Ⅱ部 全国から見た北九州市生活保護行政問題    尾藤 廣喜

6章● なぜ、私たちは福祉事務所長を刑事告発したのか
3年連続の「餓死」事件の衝撃
反貧困ネットワーク準備会の取り組み
法律家の取り組みとその広がり
全国会議などの公開質問状の提出
回答の拒否と告発の決断
何が法的に問題なのか
北九州市の数々の「違法」をどう評価するか

7章● 北九州市生活保護改善のたたかいの意味
全国的取り組みが必要な理由
私たちの取り組みに必要な視点
全国の北九州市化をどう防ぐか
「あの人たち」の問題ではなく「われわれ」の問題として

おわりに