福島の甲状腺検査と過剰診断 子どもたちのために何ができるか

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2,200

2200円(本体価格2000円+消費税)

A5判/20217月26日発行

著者 髙野徹、緑川早苗、大津留晶、菊池誠、児玉一八

ISBN 978-4-87154190-9 C3047

福島の甲状腺検査と過剰診断

 

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説明

10年前の福島第一原子力発電所の事故のために、福島県の多くの方々は甚大な被害を被ってしまいましたが、事故で放出された放射性物質によって健康影響が出ると考えられる量の放射線被曝はないことが分かったのは不幸中の幸いでした。
 しかしその一方で、福島県の子どもたちに大変な問題が起こってしまいました。それは、甲状腺検査でがんが数多く発見され、「過剰診断」という深刻な問題が発生したことです。過剰診断とは、「治療せずに放置しても、生涯にわたって何の害も出さない病気を見つけてしまうこと」です。福島第一原発事故がもたらした被害の中で、過剰診断はもっとも深刻なものの一つです。
 本書では甲状腺検査に関する最新の情報を提供し、それに基づいて福島県の子どもたちに最善の結果をもたらすために、そのありかたをどのようにすべきかを提案しています。

推薦文 玄侑宗久(作家、福島県三春町・福聚寺住職)さん
人は常に途上にあり過ちも犯す。問題は過ちに気づいた後の対処だ。覚悟と叡智を結集し、今こそ勇気を求める。

 

もくじ

はじめに -この本で伝えたいこと-

第1章 甲状腺がんとはどんながんなのか               

 第1 節 転移しても治療すべきでない甲状腺がんがある

 第2節 甲状腺がんには2種類ある 18

 第3節 甲状腺がんが「悪性化する」証拠はない 25

 第4節 専門家は急には考え方を変えられない 29

第2章 甲状腺超音波検診は何をもたらしたのか

 第1節 症状がないのに超音波検査を受けても、いいことは何もない

 第2節 超音波検査には過剰診断という恐ろしい害がある

 第3節 過剰診断の被害はどうして起こるのか・どうして拡大してしまうのか

第3章 福島で起こったこと-世界初の学校検診によるがんの過剰診断―

 第1節 1巡目の結果は専門家たちにとって予想外だった 52

 第2節 2巡目の結果で過剰診断の発生が確実になった

 第3節 甲状腺の専門家たちは誰も過剰診断を語ろうとしなかった

 第4節 過剰診断の被害は検診外へと拡大している

 第5節 福島県で起こっていることの現状と将来予測

 第6節 福島の甲状腺検査はなぜ止まらないのか

 第7節 被害の拡大を抑え込むにはどうしたらよいのか

第4章 甲状腺検査の現場から見えるもの         

 第1節 甲状腺検査はどのようにして行われてきたのか

 第2節 「見守り」のはずが、かえって不安を拡大!?

 第3節 甲状腺がんと診断されてしまうとどんなことが起こるのか

 第4節 海外の専門家たちは甲状腺がんの過剰診断問題をどう考えているか

第5章 甲状腺検査、巨大事業体制の厚い壁        

 第1節 検査開始からがんの多発見まで

 第2節 過剰診断が指摘されるようになって

 第3節 それぞれの人にとっての甲状腺検査

第6章 甲状腺検査をどうしたらいいのか

 第1節 甲状腺検査を続けていいのだろうか

 第2節 甲状腺検査はどうして行われたのだろう

 第3節 この甲状腺検査は倫理に反しているのではないだろうか

第7章 原発事故と甲状腺

 第1節 原発事故が起こるとなぜ放射性ヨウ素が出てくるのか 173

 第2節 福島第一原発事故・チェルノブイリ原発事故と甲状腺被曝

 第3節 福島とチェルノブイリで遺伝子変異はまったく異なる

第8章 甲状腺検査に関するさまざまな活動について

あとがき

 

『福島の甲状腺検査と過剰診断 子どもたちのために何ができるか』が
法学館憲法研究所のHPに紹介されました。
http://www.jicl.jp/ronbun/backnumber/20210830.html

「子供や若者の甲状腺がんの早期発見は有害無益である
過剰診断問題について公正で開かれた議論を」
髙野徹 りんくう総合医療センター甲状腺センター長/大阪大学特任講師
https://webronza.asahi.com/national/articles/2021081800002.html

【オンラインセミナー福島の甲状腺検査と過剰診断 子どもたちに何ができるか」、あけび書房YouTubeで公開しました】