【あけび書房通信】第46号(2021/10/18)

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あけび書房通信 第46号  2021.10.18発行

https://akebishobo.com
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「あけび通信」第46号をお届けいたします。

○-●-○-●高橋信雄『鈴木天眼 反骨反戦の大アジア主義』○-●-○-●

来月出版予定のあけび書房新著をご紹介します。
高橋信雄『鈴木天眼 反骨反戦の大アジア主義』
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東京工業大学教授の中島岳志さんから推薦文いただいています。
「権威にこびず、孤立を恐れなかったジャーナリストの生涯は、
今の日本のメディアに再考を促している。」

著者の高橋さんは昨年、『東洋日の出新聞 鈴木天眼~アジア主義もう一つの軌跡』(長崎新聞社出版)を著し、
第23回日本自費出版文化賞・研究評論部門賞を受賞されていて、
今回の新作では、第1次天皇機関説論争はじめ天皇神格化反対論の展開について追加してまとめています。

高橋さんの著書は唯一の鈴木天眼研究の本ですので、学問的に貴重なものであるとともに、
中島さんが高評されているように、天眼の思想と行動は<今の日本のメディアに再考>を促すアクチュアルな問いを私たちにつきつけるものです。私も本書の原稿を読んで真っ先に思ったのは、
戦前に小日本主義を唱えた石橋湛山や、ファシズム批判の先駆だった長谷川如是閑、
あるいは哲学者としてジャーナリズム論や文芸・科学批評を展開した戸坂潤らに匹敵する先駆的な思想家ではないか、
なのに、彼らに比べて天眼の名はまったくといってほど知られていないのでもったいない、
日本近現代史の知的遺産として彼の功績を明らかにしなければならないだろうということでした。
日本版アジア主義の侵略肯定への変質を許さず、孫文と同じく真のアジア主義を唱え続けてきたことが、歴史から埋もれているようです。
だからこそ、中島さんにも推薦をいただいて、
アジア主義のおける相克で歴史から忘却された積極的意義を再評価することにもなる本になりました。高橋さんの前書きによると。
<長崎県立長崎図書館に東洋日の出新聞創刊の年の1902(明治35)年3月から
天眼死去2年前の1924(大正13)年12月まで(1903年5~10月を除く)、約23年分の新聞が保管されている。
その埋もれていた論説を読んでみた。
驚きの連続であった。
天眼のジャーナリストとしての姿勢は一貫していた。
彼は軍国主義に反対し、日本の満州進出の実態を暴いて非難し、
韓国併合後の現地における日本人の傲慢に憤り、
大正政変では憲政擁護を叫んで政治改革に期待し、第一次世界大戦への日本参戦に反対し、
青島攻略の軽佻を叱り、対華二十一カ条要求を批判し、シベリア出兵に反対し、
大正デモクラシーの高揚に期待を募らせた。
さらに中国の五・四運動に共感を示し、
孫文の大アジア主義演説に重なる独自の大アジア主義の思想を、孫文演説より前に社論として確立していた。
それだけではない。
彼は、いわゆるアジア主義者たちの行動を厳しく批判していた。
玄洋社の頭山満、黒龍会の内田良平らを「軍閥の手先」「武閥の傀儡」と呼んで、名指しで非難した。
これは極めて勇気のいる言論であったろう。>

天眼のように、国内的には反骨にリベラル・デモクラシーを擁護し、
対外的には反戦平和の大アジア主義を唱えた論陣が、
当時のジャーナリズムの中に定着していれば、「大東亜戦争」に向かわず、
真の大東亜の共栄の道が開けて、国内外に多大な戦争の犠牲を生むことはなかったのではないか?
そして、隣国を蔑む言動が目に余るような今日の政治・言論状況をまっとうなものに変えていくために、
また、他方でアジアの人権・民主主義軽視で対外膨張的な諸大国を諫めるうえでも、天眼の大アジア主義の先駆性を私たちが学ぶ意義は大いにあると言えましょう。
さらに、米国追従の属国ぶりから脱却するという、いまだにナショナルに解決しなければならない課題にいどむためにも。

さて、鈴木天眼没後95年に本書が出せましたが、
年内には没後25年の丸山眞男、生誕130年のアントニオ・グラムシの本も出す予定です。
また、時宜的なテーマとして日本の自由と民主主義の危機を問う本も来月出ますので、またそれはあらためて。                   あけび書房代表 岡林信一

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